新型コロナウィルス肺炎の勉強
はじめに
ホリエモンチャンネルでホリエモンが新型コロナウイルスについて専門家・峰宗太郎先生について質問している動画を見て、かなり勉強になりました。
峰先生はアメリカの公的機関NIH(National Institute of Health)でウィルス学・免疫学の研究をしている博士研究員です。
動画を見るのが1番手っ取り早いけど、
- いまスマホで音を出せる環境でない(イヤホンを忘れた日の電車内など)
- スマホの容量制限に引っかかって動画見れない
など、動画を見れない人のために、動画に内容をまとめます。
動画で学んだ内容をまとめたノートです。
前提知識

- 既存コロナウィルスには6種類ある
- 既存コロナウィルス6種類のうち、4種類は一般的な風邪の原因となるものであり、2種類が重症化するものである
- 一般的な風邪の原因の10~15%くらいは、4種類の既存コロナウィルスと言われている
- 重症化する既存コロナウィルスの1つ目がSARSコロナウィルス、2つ目がMARSコロナウィルスである
この辺の内容はNIID(国立感染症研究所)のサイトにも書いてあるので、もし興味があれば読んでみてください。
新型コロナウィルスとは?

新型コロナウィルスの正式名称は『SARSコロナウィルス Ⅱ』であることからもわかるように、新型コロナウィルスはSARSに遺伝子の情報が似ている。
新型コロナウィルスは、SARSに似て、人間の喉や肺に対して親和性が高く、細胞に入りやすい。
しかも、SARSコロナウィルスよりも、感染力は強い。
感染力で言うと、新型コロナウィルスは、風邪やインフルエンザと同じくらい広がりやすい。
そして風邪やインフルエンザよりも重症化しやすい。
既存コロナウィルス4種類(風邪菌)と新型コロナウィルスの違い
風邪菌のコロナウィルスが上気道のみで増殖するのに対し、
新型コロナウィルスは下気道(肺)でも増殖しやすい。
新型コロナウィルスは子供は重症化しないのに、高齢者が重症化するのはなぜ?
インフルエンザは子供も高齢者も重症化しやすいのに対し、新型コロナウィルスは高齢者だけが重症化するのはなぜか。
⇒ この理由は現時点では全くわかっていない。
高齢者が重症化しやすいが、「感染しやすさ」に年代の差はない。
新型コロナウィルスに対する治療薬は作られているのか?
MARSで治療に効果のあった薬が、新型コロナウィルスに対しても効果があるかどうか、現在試験をしている段階である。
※ゼロから新型コロナウィルスの薬を開発しているのではなく、既存の薬が新型コロナウィルスについても有効かどうかを試験している。
ゼロから開発をしているわけではないという意味では、インフルエンザ・ワクチンが開発された頃とは状況が異なる。
地域によって新型コロナの致死率が異なるのはなぜか
重症化した患者さんを支える医療機関がパンクしていないかどうかで、致死率が変わってくる。
重症化する患者が一気に増えると、対応する治療ができる医療機関が追いつかず、致死率が上がる。
新型コロナウィルスの治療も、基本的には肺炎と同様の治療をする。
治療には4段階ある。
<<肺炎治療の四段階>>
1. 酸素投与
2. 要圧をかけて肺を膨らませる
3. 人工呼吸器
4. 対外肺(人口の肺を体の外にとりつける)のエクモ
日本でも、エクモを利用できる機関は限られている。
新型コロナウィルスは再感染するのか?
新型コロナウィルスには再感染するという話があるが、信ぴょう性はどうか?
→ 再感染ではなく、新型コロナウィルスの再燃である可能性が高い。
体内のウィルス量が減った時期に検査をすると、検査結果は陰性と出ることがあるが、体内にウィルスは残っている。
■再感染と再燃の違い
再感染 | 1度身体から完全にウィルスが消えてしまった後に、また違う人からウィルスが飛んできて、感染することを言う |
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再燃 | 1度体内でウィルス量が減り、再度増えること 風邪のぶり返しのようなもの |
新型コロナウィルスは変異しやすいか
新型コロナウィルスも、インフルエンザウィルスと同様に、変異はしやすい。
これは、人間のDNA(二重らせん)と異なり、遺伝子情報が一重らせんのRNAに書き込まれており、エラーを起こしやすいためである。
■DNAとRNAの違い
DNA | らせんが2重であるため、片方の情報がエラーを起こしても、もう片方で補正が可能である |
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RNA | らせんが1重であるため、遺伝子情報がエラーを起こした場合、補正をかけることができず、変異しやすい |
ただし、ワクチンのターゲットとなるウィルスの突起部分については、インフルエンザほどは変異しない。
よって、1度新型コロナウィルスのワクチンが開発されれば、効きやすい。
※インフルエンザ・ウィルスは突起部分が変異しやすいので、事前にワクチンを打っても、効かないことも多い。
新型コロナウィルスで日本が医療崩壊するリスクはあるか?
仮に新型コロナウィルスで重症化する人が激増すれば、医療機関のキャパシティを超えてしまう可能性はある。
新型コロナウィルスがSARSより感染力が強い理由は?
鼻水にとても多く新型コロナウィルスが出る。
インフルエンザよりもはるかに多い。
↓
くしゃみをすると鼻水が吹き飛ぶが、鼻水に含まれるウィルス数がそもそも多いので、飛沫感染しやすい。
ウィルス感染が冬場に流行する理由
なぜ冬場が多いのか、専門家の間でも明確な理由はわかっていない。
冬場の乾燥で、喉の粘膜が弱り、ウィルス感染しやすくなっている可能性はある。
また、寒いと室内のイベントが増え、それによりウィルス感染の流行りやすさが変わっている可能性もある。
あくまで可能性。
新型コロナウィルス感染症対策はいつまで続くのか?
日本政府は、医療キャパシティを超えてしまわないように(医療崩壊を起こさないように)ピークを遅らせる政策をとっている。
クラスタの発生などを抑える効果はあるものの、逆にピークがないのでダラダラ続き、収束の定義がよくわからなくなる傾向がある。
2009年の新型インフルエンザ流行では、ピークを抑えた結果、ダラダラ続き、実は今も流行が続いている。
新型コロナウィルスも似たシナリオをたどる可能性が高い。
- 社会が新型コロナウィルスを受容しだす(インフルエンザのように、毎年発生するものだ、と人が認識する)
- ワクチンが開発されるまたは治療法が確立され、過度に恐れる病気ではなくなる。のどちらかで収束する可能性が高い。
■参考:致死率と死亡率の違い
致死率 | 病気に感染した人の中でどれくらいの人が亡くなるか |
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死亡率 | 人口全体で、その病気でどれくらいの人が亡くなるか 分母が人口全体 |
WHOの懸念するインフォデミックとは?
インフォデミックを直訳すると「情報の急速な伝染(Information Epidemic)」です。
「正しい情報と不確かな情報が混じり合い、人々の不安や恐怖をあおる形で増幅・拡散され、信頼すべき情報が見つけにくくなるある種の混乱状態」という意味。
まさに新型コロナウィルスで起こっている状況。
新型コロナウィルス感染予防でできること
下記の環境をできるだけ避ける。
- 人が密集する環境
- 声を出したり、歌ったりと飛沫を飛ばす環境
- 換気が悪い環境
換気の悪い小さなライブ会場でコンサートを行うようなことはやめたほうがいい。