インドアで追悼する

花さんの誹謗中傷は刑法でどんな罪になる?過去に逮捕された事例は?

hana7

花さんの誹謗中傷は刑法でどんな罪になる?過去に逮捕された事例は?

はじめに

2020年5月23日にテラスハウスに出演していた木村花さんの訃報のニュースを知り、個人的にとても悲しい気持ちになりました。

こちらのニュースです。

花さんの過去のSNSを見る限り、花さんはSNSでの誹謗中傷にとても苦しんでいたようでした。

そして、SNSでの誹謗中傷が、今回の悲しい事件の原因になっていたように、私には思えました。

誹謗中傷の一部がツイッターに掲載されていました。

これはあくまで氷山の一角で、実際は1日100件近くの罵詈雑言のダイレクトメールや投稿へのリプライがあったという話もあります。

残されたご家族の悲しみを考えると、心が痛みます。

もう、言葉にならないです。

木村花さんの訃報に対する世間の反応

木村花さんの訃報に驚きとショックを受ける方がたくさんいました。

それはそうですね…。

そして言葉の暴力に憤りを感じる方がたくさんいました。

ネットでの誹謗中傷は刑法でどんな罪になる?

私がこのニュースを読んで疑問に思ったのは、

「ネットで誹謗中傷をした行為は、法律で処罰の対象にならないのかな?」

ということでした。

日常生活では法律をことさらに意識して生活しているわけではないし、私はこの辺の知識があまりないな…と改めて思いました。

前提知識:刑事責任と民事責任の違い

私は法律関連に疎くて、調べて初めて知ったのですが(もしかすると学生時代に学校で習っていたのを忘れているだけなのかも?!)、処罰の対処には刑事責任と民事責任があるんですね。

刑事責任 法律を犯したもの(犯罪者)に対し、国により懲罰などの罰が与えられる責任のこと
刑罰が科されること
民事責任 個人対個人の争い事で、主に金銭での損害賠償責任が課させること

■借りたお金を返さない

お金を貸した人から訴訟を起こされ、判決に基づき、預貯金や給料等の差押えを受ける可能性がある。これは民事責任。

借りたお金を返さないことは、刑事法上は犯罪とは規定されていないので、刑事責任は問われない。

■覚せい剤を使用した

覚せい剤取締法違反として、刑事上処罰される=刑事責任を問われる。

しかし、民事上、誰かに損害賠償義務を負うことはない。

■自動車を運転していて、誤って人を死傷させてしまった

民事責任と刑事責任の両方を問われる。

まず民事責任としては、被害者やその遺族に対し損害賠償責任を負う。

刑事責任としては、動車運転過失致死傷罪として処罰される可能性がある。

む、難しいな、おい…。

前提知識:民事裁判と刑事裁判の違い

民事裁判と刑事裁判の違い
  • 事裁判の当事者は原告も被告も私人(国の機関以外の者)であるのに対し、刑事事件の当事者は国の機関と犯人
  • 刑事裁判で訴えるのは、必ず国の機関である検察官
  • 民事裁判で訴えるのは私人
  • 民事裁判で原告が勝訴すると、国が被告の財産を強制的に処分したり差し押さえたりして、原告への金銭の支払いに充てるのが一般的
  • 刑事裁判の場合、被告人に対して実刑の有罪判決が出ると、判決に従って被告人を強制的に刑務所等に収容して、労役を科す/li>

ああ、素人には難しい内容だよ。

ざっくり、被告がお金を払うことで解決するのが民事裁判で、被告が刑務所に服役するのが刑事裁判なのか?!

ネットでの誹謗中傷は刑法の名誉棄損罪と侮辱罪になる可能性あり

調べてみたところ、ネットでの誹謗中傷は、以下の罪になる‘可能性がある’ようです。

刑法230条1項
名誉棄損罪
公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損したものは、その事実の有無に関わらず、3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金に処する」

社会が人に与える評価(社会的評価、外部的名誉など)を低下させる表現行為

親告罪なので、名誉棄損罪で刑事裁判に訴えられるのは、被害者などから告訴があった場合に限定される

また、被害者が民事裁判に訴えることもある。これはあくまで名誉棄損による損害賠償責任(慰謝料など)を求めるもので、法律上の犯罪を認定し、刑事罰を与えるものではない

自分ではなく、他人の発言の引用といった形をとった場合でも、名誉棄損罪が成立するとした裁判例がある

刑法231条
侮辱罪
事実を摘示していなくても、公然と人を侮辱した者は、拘留又は科料に処する」

バカ、キモい、クソ野郎、など相手を貶める発言は全て侮辱罪の対象になる

拘留…1日以上30日未満、刑事施設に拘置する刑罰
科料…1,000円以上1万円未満のお金をとる刑罰

TwitterやInstagramは不特定の人がその書き込み内容を閲覧できるので「公然と」に該当するのではないかと。

公然と事実を摘示して人を傷つけるのは名誉棄損罪で、
事実でないことでも)人を公然と侮辱することが侮辱罪なんですね。

ということは、木村花さんに対する以下のツイッターの書き込み(花さんへの投稿へのリプライ)は侮辱罪にあたる可能性があるのでは?

  • お前が早くいなくなればみんな幸せなのにな。まじで早く消えてくれよ。
  • 花、最低!育ち悪いし、こんな女、人間、ドン引き!かいは、悪くない!お前が、最低なクズだ!!!きもい、早くテラハから出ろよ!

過去に逮捕された事例は?

タレントの川崎希さんへの侮辱罪で女性2名が書類送検

川崎希さんのブログに、ママスタジアムという匿名インターネット掲示板で、川崎希さんやその家族に対する嫌がらせの書き込み(家族の安全を脅かすような内容も)があり、最終的に2人が書類送検されたことが書かれています。

ブログを読んだところ、大まかな流れは以下の模様

侮辱罪で書類送検に至るまでの流れ

東京地方裁判所が発信者情報開示請求の申し立てを認める

書き込みをした人の住所や名前を開示してもらう

書き込みした人を特定する

特定した人を警察署に告訴する

警察が捜査し、2020年3月3日女性2人を侮辱罪で書類送検

川崎希さんは、書類送検された2人が深く反省していることを知り、3月20日のブログで刑事告訴を取り下げたことを報告しています。

2020-03-20 川崎希さんのブログからの引用

3月4日にこのブログで書いた、インターネット上での私と私の家族に対する度を超えた誹謗中傷がなされた件について、ご報告します。

匿名のインターネットの掲示板に投稿した2人の女性が侮辱罪で書類送検されたことは、すでにお伝えしましたが、2人とも、検察庁での取調べに対しても、警察のときと同じように、自分が書き込みをしたことを認め、私と私の家族を傷つけてしまったことについて深く反省し、二度とこのようなことはしないと言っていると聞きました。

弁護士の先生によれば、担当の検察官も、今回の書き込みが侮辱罪の犯罪行為に該当すること、そして、匿名のインターネットの掲示板で芸能人を対象とした悪意ある書き込みが横行すれば、芸能界のみならず、社会一般へも大きな影響を与えるということについて、理解を示してくださったということです。

誰に書き込みされているかわからない不安なところから、私と私の家族の名誉や安全を守ろうと決心し、裁判所を通じて、書き込みをした人の名前と住所を開示してもらった上で刑事告訴を行いましたが、ここまで、刑事事件として対応してくださった警察・検察庁の方々に感謝しています。悪意に満ちた誹謗中傷の匿名の書き込みをして、「他の人も書いているし大丈夫だろう。バレないだろう。」などということは決してないことが、明らかになり、よかったと思います。

今回の件について、私は、書き込みをした人に対して、罰したいという気持ちがあったわけではなく、悪意ある書き込みをすれば刑事罰が科されるということをわかってもらい、きちんと反省して、今後は二度とこのようなことをしないと思ってほしいと考え、刑事告訴に踏み切りました。現在は書き込みのあったスレッドが完全に閉鎖され、書き込みをした2人も深く反省していると聞いています。また、匿名掲示板であっても、悪意のある書き込みをした人の住所や氏名は手続きをすれば開示され、刑事事件としても取り扱われ、取調べを受け、刑罰を科される可能性があることを、2人は十分に認識したと思いますし、私がこのブログでメッセージを発信したことにより多くの方々にも認識いただけたと思います。

その意味で、私自身が時間と労力をかけて手続きを進め、刑事告訴を行ったことの意味は十分にあったと思いますので刑事事件となったことで、今後の悪質な書き込みに対する抑止の効果もあったと思います。私自身、こうした様々な事情やこれまでの経緯も考えた上、家族や周囲の方々とも相談し、ご意見も伺い、今回の刑事告訴はここで取り下げるということにしました。

ただ、もし、今後も、私や家族に対する名誉毀損や侮辱、家族の安全を脅かすような書き込みがなされれば、法律の手続に従って対処していく考えに変わりはありません。

最後になりますが、この件に協力していただいた所属事務所の皆さん、弁護士さん、捜査をしてくれた警察の皆さん、不安な時に応援してくれたいつも見てくれている皆さんには、重ね重ね、感謝申し上げます。ありがとうございました。

2020.3.20

川崎 希

メンタリストDaigoさんお勧めの誹謗中傷への対処法

メンタリストDaigoさんが著名人が誹謗中傷への対処方法をYouTubeで公開していました。

メンタリストDaigoさんお勧めの誹謗中傷への対処法
  • 経験豊富な弁護士に、どの程度まで証拠を集めれば損害賠償を請求できるかを事前に確認する(民事責任)
  • 脅迫/誹謗中傷/名誉棄損に該当する内容を書き込んだ人をしばらく放置し、証拠を集める
  • プロバイダーに対して、脅迫/誹謗中傷/名誉棄損に該当する内容を書き込んだ人に対する情報開示請求をする
  • 自宅と職場に内容証明を送る
  •     

  • 民事訴訟を起こす
  • 民事裁判で勝訴した場合の損害賠償金は非課税

最後に

あまりにネットでの誹謗中傷の数が多いと、その1つ1つに対して開示要求をして内容証明を送る…というのは非現実的なのかもしれません。

こちらの動画を見ると、

  • 誹謗中傷を書き込んだ人の個人情報を確定するための裁判に60~80万円(マックス100万円)
  • 損害賠償請求の民事裁判をするために30~40万円
  • 誹謗中傷をした人が損害賠償責任を支払う能力があるかは限らない

と記載ありますし。

ただ、少なくとも対処する手段が存在している、と知っているだけでも違うのかなと思いました。